アスベスト事前調査が不要な場合とは??対象となる場合と事前調査が必要な理由とは??
アスベスト事前調査と不要工事の総合ガイド
アスベスト事前調査はその健康リスクを考慮し、特にリノベーションや解体工事で重要です。しかし、まれにアスベスト事前調査が不要な場合があります。
ここでは、【建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル】に記載されている、アスベスト事前調査が不要な場合をご紹介します。
アスベストの事前調査が不要工事な場合
1. 明らかにアスベストが含まない素材の場合
工作物の建材がアスベストを明らかに含まない素材である場合、アスベスト事前調査が不要です。
■除去等を行う材料が、例えば、木材、金属、石、ガラス等のみで構成されているもの
■畳、電球等の石綿等が含まれていないことが明らか
■当該材料の除去等を行う時に周囲の材料を損傷させるおそれのない作業
2. ほとんど建材に損傷を与えない、飛散リスクが低い作業の場合
釘を打って固定する、又は刺さっている釘を抜く等、材料に、石綿が飛散する可能性がほとんどないと考えられる極めて軽微な損傷しか及ぼさない作業は、アスベスト事前調査が不要です。
なお、電動工具等を用いて、石綿等が使用されている可能性がある壁面等に穴を開ける作業は、これには該当せず、事前調査を行う必要があります。
3. 既存の塗装の上に新たに塗装を塗る作業等、現存する材料等の除去は行わず、新たな材料を追加するのみの作業
4. 平成18年(2006年)9月1日以降に着工された建築物などの場合
平成18年(2006年)9月1日以降に着工された建築物は、アスベストに関する規制が厳格化されたため、事前調査が不要な場合があります。この規制は、アスベストを含む建材の使用を法律で禁止することで、建築物の安全性を高める目的で導入されました。そのため、2006年9月1日以降に着工された建築物は、アスベストに関するリスクが極めて低いとされています。
アスベスト事前調査の手順と重要性
アスベスト事前調査は、建物の使用者や施工者の健康を守るために欠かせない重要なステップです。この調査の手順と重要性について理解することで、適切な行動を取ることができます。
アスベスト事前調査は、労働者や住民の健康を守るために必要な手続きです。それを知らずにリフォームや解体作業を行うと、多くの人が危険にさらされます。
アスベストの存在を確認し、その取り扱いに注意するために事前調査は欠かせません。
事前調査の基本的な流れ
アスベスト事前調査の基本的な流れは、調査者による計画、サンプリング、アスベスト分析調査、報告のステップで構成されます。
アスベストの飛散リスクを最小限に抑えるためには、各ステップを丁寧に行う必要があります。
①まず、計画では建物の設計図や過去の資料を集めて、アスベスト含有の可能性がある箇所を特定します
②次に、サンプリングの段階では特定された箇所から試料を採取します。この試料は、一定の規則に基づいて適切な方法で採取しなければなりません
③続いて、アスベスト分析調査のステップです。採取した試料は、専門のアスベスト分析会社でされ、アスベストの有無や含有量が評価されます
最終的に、分析結果を報告書にまとめ、石綿事前調査結果報告システムで報告する事で事前調査は完了します
事前調査の基本的な流れを理解することで、アスベストによる健康リスクを効果的に軽減できます。アスベストは健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、これらのステップは非常に重要です。
なぜ事前調査が必要か?
アスベストの事前調査が必要な理由は、建築物や作業現場での安全性を確保するためです。
アスベストは健康被害を引き起こし得る非常に危険な物質であり、適切な調査が行われないと、従業員や周辺住民に深刻なリスクを与える恐れがあります。
例えば、アスベストを含有する建材を知らずに破壊し、その粉じんが飛散すると、作業員や周囲の人々がそれを吸い込むリスクが高まります。アスベストは肺がんや中皮腫などの重篤な疾患を引き起こすことがあるため、その影響は非常に深刻です。
事前調査を実施してアスベストの有無を確認することで、適切な安全対策を講じ、健康被害を未然に防ぐことが可能です。例えば、アスベストが含まれる可能性が明らかになれば、安全防護具の着用や飛散防止対策を講じることができます。さらに、アスベスト含有建材の除去や補修を行う際には、専門家による適切な措置が必要となります。
このため、事前調査は法令によって義務化されており、その結果は行政機関の石綿事前調査結果報告システムで報告する必要があります。アスベスト関連の法令や規制に従い、事前調査を徹底することが、長期的な健康被害を防ぐために極めて重要です。