木造一戸建てにもアスベストがある？？
木造一戸建てにもアスベストがある？？
木造住宅は鉄筋造ほどアスベストを広範囲に使用しているイメージは少ないかもしれません。しかし、築年数や使われている外壁材・屋根材などによっては、アスベストが含有されているケースがあるため油断は禁物です。
特に2006年以前に建てられた住宅では、耐火性や断熱性の目的でアスベストが使われている可能性が高いとされています。
現在はアスベストによる健康被害を防止するため、解体工事、リフォーム工事等の際に、有資格者によるアスベスト調査が必須となりました。
本記事では、木造一戸建てにおけるアスベスト使用の実態と健康リスク、さらに具体的な見分け方を解説します。
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木造一戸建て対するアスベストの使用状況
木造住宅であっても、築年や目的によってはアスベスト含有建材が用いられている可能性があります。
アスベストはかつて防火・断熱性能に優れた資材として広く活用されていました。鉄筋コンクリート造だけでなく、木造住宅でも屋根材や外壁材の一部に使われてきた事例があります。2006年にアスベスト含有建材が全面禁止されるまで、一部メーカーでは生産が続行されていたこともあり、築年数が古い木造一戸建てほどリスクが高いといえます。
こうした建材は通常使用時には大きな被害を引き起こさないこともありますが、経年劣化やリフォーム、解体工事などで粉じん化が進むと、健康リスクが高まります。アスベストによる健康被害は年数が経過してから症状が出ることも多く、早期発見と適切な処置が重要となります。
2022年4月からは、建築物の解体や大規模リフォーム前にアスベスト調査が義務付けられています。さらに2023年10月からは、有資格者による専門的な調査が必須となるため、木造一戸建てでも油断せず、必要に応じた対策をしっかりと把握しておくことが大切です。
築年数が関係します
築年数が古い住宅、特に1980年代までに建てられた物件では、アスベスト含有建材が用いられている可能性が高まります。2006年に全面禁止されるまでは段階的に規制が進められており、最終的にはほぼすべてのアスベストが対象となりました。自宅の築年数を把握することで大まかなリスクが推定できるため、古い木造一戸建てを所有している場合は早めの調査を検討することが重要です。
アスベストによる健康被害のリスク
老朽化した建材が崩れたり、リフォームや解体工事時に破砕を行ったりすると、アスベスト繊維が飛散しやすくなります。飛散したアスベスト粉じんを吸い込むことで、肺がんや中皮腫など重大な健康被害を引き起こす可能性があるため、建物の状態を定期的にチェックする必要があります。
また、アスベストが含まれていることが疑われる部分を扱う場合は、必ず資格によるアスベスト調査を行うことが推奨されます。
木造一戸建てのアスベストはどこにある？
アスベスト含有建材は見た目だけで判断しにくいため、アスベスト調査の資格者による検査が推奨されますが、おおまかな目安を知っておくことも大切です。
木造一戸建てにおけるアスベストの見分けは、家族の健康を守るための重要なステップです。早期発見によってリフォームや解体時のトラブルを回避できるほか、将来的な費用負担や売却時の価格への影響を最小限に抑えられる可能性があります。
まずは、築年数を調べる
1990年代後半から2000年代初頭にかけてアスベスト規制が強化されはじめ、2006年には事実上すべての製品が禁止対象となりました。したがって、築年数がそれ以前の木造住宅ではアスベスト含有建材のリスクが高まります。リフォームや解体を行う際には、築年数を基に早めに専門のアスベスト調査機関に依頼することがおすすめです。
外壁
サイディングなどの外壁材にアスベストが含有されていた例があり、ひび割れや剥離がある場合は特に注意が必要です。外壁リフォーム時には決して自己判断で削ったりせず、専門業者による調査を先に行うことで安全かつスムーズに作業を進められるでしょう。
屋根
スレート瓦やセメント瓦にはアスベストが混入していた時期があり、紫外線や風雨による劣化で表面が剥がれやすくなると、粉じんとして飛散する可能性が高まります。屋根材が傷んでいる場合は屋根工事の前にアスベスト含有の有無をしっかり確認することが大切です。
内装材
壁や天井の下地として使われるボード類も、過去にはアスベストを含むものが存在しました。リノベーション時には解体や取り外しで大きく破砕されることが多く、飛散リスクが高まるため、事前の調査と安全対策を怠らないよう心がけることが重要です。
軒裏
火事の延焼を防ぐために耐火性の高い建材が採用されやすい軒裏は、アスベストを含んでいる可能性があります。この部分のメンテナンスや修繕をする際には、細心の注意を払う必要があります。
